スキンシップ

2003年2月21日
信じようと信じまいと構わないけど。
この時点では、僕はまだ彼女のことを好きじゃなかった。
確かにそりゃ気になる存在ではあったけど。
好きというよりは、憧れに近いものだって自分に言い聞かせてた。
あの子を裏切りたくなかった。
それだけが僕にできるせめてもの償いだって
自分に言い聞かせて生きてきた2年間。

場所を変えて2次会が始まっていた。
身体をベタベタ触ってきそうなタイプと僕が密かに思ってた女の人は、予想通り甘い声を出しながら誰彼となくスキンシップをはかってるようだった。
ぼくは、好きでもない子に触れられるのはどっちかっていうとあまり好きな方じゃない。
ただまあ必然的に触らないとどうしようもなく前に進まない場面もあるわけで。
そういう時に触ったり触られたりするのは比較的嫌いではなかったけど。
それはあくまでもそういった場面で多くの場合、人目もない場面に限られている。
ただ、あの子と手を繋ぐのは大好きだった。
あの子の手は僕の掌にすっぽりと入った。
できることなら離したくなかった。
でも、離れた。

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